株式会社MFS
コロナショックがもたらす住宅ローン市場への影響
〜借り入れ、借り換えの好機到来〜
フィンテックを活用したオンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を提供する株式会社MFS(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO 中山田 明、以下「MFS」)は、新型コロナウイルスがもたらす住宅ローン市場への影響についてのスペシャルレポートを発表します。
【ハイライト】
●米国では長期金利の低下を受けて借り換えブームが発生
●住宅ローン金利は、長期固定金利が一時的に上昇するものの、長期的には低水準で推移する
●将来住宅ローンのデフォルト率が上昇すると、住宅ローン金利の上昇もありえる
●現在住宅ローンは実質的にマイナス金利であり、借り得な状態にある
新型コロナウイルスによる世界的な景気減速を受けて、株式市場はかつてのリーマン・ショックを彷彿とさせる歴史的な下落となっています。一般的に景気の悪化は金利低下を招くため、住宅ローンの金利は下がり、借り換えの好機が到来します。実際米国ではFRBの緊急利下げにより住宅ローン金利が過去最低レベルまで下がり、対前年比で5倍近い借り換え申請が発生しています。
ただ、日本では、ドル回帰とキャッシュ化の動きで日本国債が売られる、いわゆる「質への逃避」が起こっており、長期金利が上昇しています。
本レポートでは、このような混乱した状態で、今後住宅ローンを借りる人又は借りている人はどのような行動を取ればいいのかについて解説します。
【住宅ローン金利の推移】
下記グラフの通り、当社が作成する金融機関セクター別金利インデックスの過去2年半の動きは、変動金利から長期固定金利まで全体的に低下傾向にありました。直近のネット系銀行の変動金利は0.47%となっています。長期金利セクターでは、今月メガバンクの10年固定が過去最低の1.04%となる一方、フラット35の金利は昨年10月に過去最低の1.11%をつけた後若干上昇しています。日銀の緩和スタンスは継続しており、今後も住宅ローン金利は低下基調で推移するものの、10年固定や全期間固定の金利はコロナショックの影響が収まるまで一時的に上昇しそうです。
【短期的金利予測】
2020年4月の金利予想は下記の通りです。ネット系銀行の変動金利は変わらず、来月の金利を既に発表した楽天銀行やソニー銀行を除く多くの金融機関の10年固定金利は、コロナショックによるスワップレートの急上昇を受けて0.13%程度上昇すると予測します。フラット35は、今月発行された住宅金融支援機構の資産担保証券の利回りが0.06%上昇しましたので、同程度上昇するでしょう。
【長期的金利予測】
コロナショックの影響は拡大を続けており、そのグローバル経済へのダメージは計り知れません。この事態に対応するため、各国が未曾有の金融緩和や景気刺激策を講じて経済がデフレスパイラルへ陥るのを避けようとするでしょう。結果として住宅ローン金利は長期的には低利で推移すると思われます。
ただ、コロナショックが実体経済に壊滅的な影響を及ぼし始めた場合、つまり住宅ローン利用者が減給や失業などにより住宅ローンの返済を滞るような事態が生じてくると、金融機関がそのリスクに対応するため、住宅ローンの審査基準の厳格化や金利を引き上げることに繋がります。まだ可能性としては低いですが、そのような事態も想定しておく必要があるでしょう。
【新規借り入れを検討中の方へ】
現在住宅購入者にとって魅力的な金利水準でローンが利用できる状態です。固定特約型や全期間固定型のローン金利は一時的に上昇するものの、長期的には低下してくるものと考えます。金利上昇は起こりにくく、金利を固定化する必要はないでしょう。
一方、前項で指摘した通り、今後コロナショックが経済全体に実質的な影響を与え、住宅ローンのデフォルト率が上昇するような事態になると、金融機関が貸し出しに慎重になるかもしれません。
結果として住宅ローンの金利が上がる可能性もあり、住宅購入を考えている人は早めにローンを確保しておいた方がいいでしょう。
【借り換えを検討中の方へ】
現在ネット系銀行の変動金利型だと0.4%台の金利のローンへ借り換えできるため、まだまだ多くの人が住宅ローンを借り換えて返済額を減らせる状況です。また、住宅ローンに付随する団体信用生命保険(以下「団信」)にがんやその他疾病保障が付いたローンも出ており、新型コロナウイルスによる脅威が叫ばれている今日、金利的なメリットがなくても病気や怪我により働けなくなった場合に備えて疾病保障付きローンへ借り換える方も増えています。
【住宅ローンはマイナス金利】
住宅ローンは借入額の1%の所得税控除が13年間に渡って受けられるため、0.4%の金利のローンだと税効果を考えれば0.6%のマイナス金利で借りているのと同じになります。また、男性の50代後半の死亡率が0.5%を超えており※、団信のメリットを考えると50代後半以降は実質的にマイナス金利と考えられます。
下記グラフが示す通り、0.4%の金利の住宅ローンから所得税控除分と死亡率を差し引くとほとんどの期間マイナス金利となり、できるだけ多くの金額をできるだけ長く借り続ける(繰り上げ返済をしない)ことが合理的な住宅ローンの利用方法と言えるでしょう。
※:厚生労働省の発表する「平成29年簡易生命表の概況」より
【モゲチェックについて】
日本初のオンライン住宅ローンサービスです。ユーザーニーズに応じたNo.1金利(最も低い金利)の住宅ローンをオンラインで紹介しています。
ウェブサイト:https://www.mogecheck.jp/
●株式会社MFS概要
MFSは、オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を運営するフィンテックベンチャーです。これまでに、借り換え相談件数10,000件以上、住宅ローン媒介金額(元本累計)300億円以上、借り換えによる平均金利削減額約300万円、満足度94%といった実績を上げています。
代表者:代表取締役CEO 中山田 明
所在地:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル2階 FINOLAB
事業: オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」の運営
ウェブサイト:https://www.mortgagefss.jp/
●代表取締役CEO 中山田 明のご紹介(本レポート分析者)
・1991年東京大学経済学部卒
・1999年ベアー・スターンズ証券会社にて日本初の住宅ローン証券化案件を担当
・2001年新生銀行にてSBIグループと日本初のモーゲージバンクビジネスを開始
・2006年新生銀行にて楽天と合弁会社(楽天モーゲージ)を設立。フラット35を対象とするモーゲージバンクビジネスを開始
・2011年SBIモーゲージ(現アルヒ株式会社)入社。2012年よりCFOを歴任
・2014年10月よりMFS代表